あけび(木通)
あけび(木通)【概要】
- アケビとは山の中に自生する濃厚な甘味がある果実です。
- アケビにはビタミンCや葉酸が多く含まれています。
- アケビのツルは木通という漢方の生薬になっています。
あけび(木通・通草)とはアケビ科アケビ属の果実で、原産地は日本や中国など東アジア全域です。日本での主な産地は山形県ですが、日本全国の山中で自生しています。
あけびはよく熟すると濃厚な甘味がある果実です。アケビは熟すると外側のかたい皮が開く(裂ける)ことから、「開け実(実が開く)」と呼ばれたそうです。
あけびの果肉は半透明のゼリー状で、種を包むようにしてついています。皮が割れているあけびは完熟しているので、そのまますぐ食べられます。
アケビは生で食べる以外は、干したものも流通しています。
あけび及びミツバアケビのツルは漢方の生薬にもなっており、木通(もくつう)と呼ばれています。
またあけびのツルはかごやおもちゃの細工にも利用されます。
主な成分や効能・効果
アケビは糖分が比較的多く、カロリーが100g中86カロリーと少し高めです。
アケビには免疫力を高めるビタミンCが多く含まれている他、血圧を安定させるカリウム、骨を強くするカルシウムやマグネシウム、細胞の新陳代謝に必要な葉酸を比較的多く含んでいます。
あけびの果皮には、抗酸化作用のあるアントシアニンが含まれているためアンチエイジング効果も期待できます。
漢方の生薬であるあけびのツルにはアケビサポニンというサポニンの一種が含まれています。アケビサポニンには利尿作用、抗炎症作用、抗酸化作用があるとされます。
アケビの使い方・料理方法
あけびは果物ですのでそのまま食べられます。
アケビの果皮は味噌炒めや肉詰めにすると苦味が良いスパイスになって美味しく食べられます。実が開いていない果実は料理の素材として使われることもあります。
漢方における木通の利用
あけびは木通や八月札など漢方に利用されています。
基本的な漢方生薬の作り方
つる、葉、茎、果実は8~9月に採取して日光干しする。
効能
それぞれ部位によって多少効能が変わるとされます。
●木通(あけびの茎)を煎じる。
利尿、抗炎症、抗潰瘍、脂質降下、膀胱炎、浮腫(むくみ)、湿疹、月経不順、母乳不足に効果が期待できる。
●八月札(あけびの果実)を煎じる。もしくは生食する。
胸脇部痛、胃痛、下腹部痛、月経痛、腰痛に効果が期待できる。
●新葉をほうじて、お茶として葉、茎を20g煎じる。
利尿、健胃、淋病、腹水に効果的。
●半透明の果肉を適宜食べる。
利尿作用が期待できる。
アケビの副作用・危険性・注意点
アケビの副作用は特に報告がありません。 漢方のアケビ(木通)を利用する場合は少し注意が必要です。
中国産の漢方では木通に似た名前の関木通を原料にしているものがあります。関木通にはアリストロキア酸という成分が含まれており、腎臓障害や発ガン性の危険性があります。日本産の漢方では関木通を利用しているものは無いようです。
あけび(木通)に含まれる健康成分
あけび(木通)に含まれる健康成分には以下のようなものがあります。