いちご(苺:イチゴ)
いちご(苺:イチゴ)【概要】
- 三種類の糖と二種類の酸が織り成す絶妙な甘酸っぱさ
- ビタミンCの女王と呼ばれ健康効果も豊富
- 歯の健康も期待できる
いちご(苺:イチゴ)は最近でこそ年間を通じて流通していますが、旬はもともとは初夏です。見た目が赤いため「陽性(漢方用語で体を温める性質)の果物」と勘違いされますが、初夏が旬であることと、やわらかくて水分が多いことから「陰(体を冷やす)」の性質が加わるので、「間性(体を温めも冷やしもしないバランスよい性質)の果物」とされています。
イチゴの魅力は爽やかな「甘味」です。ショ糖、果糖、ブドウ糖の三種類が織り成す「甘味」にクエン酸やリンゴ酸の二種類の酸味が加わり、甘酸っぱい味わいが完成します。
イチゴの主な成分と効果や効能
イチゴの含まれるクエン酸やリンゴ酸は疲労物質の分解を促進し、疲れを癒(いや)す効能が高い。
また、いちごは「ビタミンCの女王」の別名もあり、疲労回復、コラーゲンの合成促進、副腎皮質ホルモンの分泌促進(心身のストレス耐性向上)、風邪予防などの効果が期待できます。
苺は生で食べることが多く、熱に弱いビタミンCを壊さず摂ることができるのが健康上の大きなメリットです。
しかし、イチゴに限らず、ビタミンCは体を冷やす作用が強いので、おやつやデザートとするなら、紅茶などと一緒に摂るといいでしょう。
いちごには食物繊維も含まれています。そのうちの一つであるペクチンは、コレステロールを下げ、動脈硬化、高血圧の予防・改善の効果が期待できます。また、イチゴの解熱、利尿、去疲(タンをとり去る)効能は、風邪や気管支炎の症状緩和に役立ちます。
意外ですが、いちごにはキシリトールという成分も含まれています。「キシリトール」とは天然甘味料の一つで、「歯を丈夫に」「虫歯予防」などの効能をうたったガムなどによく含まれています。
キシリトールは砂糖と同じほどの甘味を持ちながらカロリーは25%も低く、虫歯の原因菌であるミュータンス菌の繁殖を弱め、虫歯を予防する効果があります。ヨーロッパの一部地方では、歯の健康のためにイチゴを使って歯磨きをする地域もあるそうです。
苺の民間療法
苺は昔から以下のような症状に対する民間療法薬として利用されています。
◆滋養強壮剤
イチゴ約1kg、氷砂糖約1kg、ホワイトリカー1.8リットルを広口ビンに入れて3週間冷暗所に置く。できあがった「イチゴ酒」を、毎晩寝る前におちょこ1~2杯飲む。
◆生理不順・子宮筋腫などの婦人病
イチゴの葉約10gにコップ1杯の水を加え、半量になるまで煎じたものを飲む。
いちご(苺:イチゴ)に含まれる健康成分
いちご(苺:イチゴ)に含まれる健康成分には以下のようなものがあります。